会期 : 2023年2月4(土)・5日(日)、11(土)・12日(日)
場所 : 気仙沼ニッティング本店「メモリーズ」
宮城県気仙沼市柏崎1-12
気仙沼ニッティングの本店「メモリーズ」は、海の近くの、小高い丘の上に建っています。「メモリーズ」へ向かう坂道は、桜並木で、春には淡いさくら色の花、夏には豊かな緑の葉、秋には赤や黄の美しい紅葉で、道ゆく人を楽しませてくれます。
「メモリーズ」の窓からも、その桜並木が見えていて、わたしたちはいつも、桜の木と海を眺めながら仕事をしています。
そんな桜並木で、昨年、剪定が行われました。私たちにとっては特別な桜の木ですので、お願いして、剪定した枝をお譲りいただきました。その量、バンの荷台一杯分。桜の枝で、毛糸を染めようと考えたのでした。
この桜の枝で毛糸を染めて下さったのは、京都の「アトリエシムラ」の志村宏さんです。宏さんは、染織家で人間国宝の志村ふくみさんのお孫さんでもあります。毛糸は、ふだんアトリエシムラさんが染められている絹糸に比べると、染料をたくさん吸い、色も浅くなりやすいのだそうです。宏さんは、毛糸がしっかり美しく染まるように、桜の枝を2週間もかけて煮出し、濃い染料をつくって毛糸を染めてくださいました。
そうして染めらた毛糸が、こちらです。
やさしく、おだやかで、どこか素朴な、いい色です。
宏さんは、日ごろ京都の桜の枝を使って絹糸を染めることがあるのだそうですが、気仙沼の桜の色は、京都の桜の色ともまたひと味違ったと言います。
この気仙沼の桜は、毎日海風にあたっています。土も、京都とは違うでしょう。そんなことから、同じ桜でも、枝に含まれる成分が京都の桜とは違ったのかもしれません。
気仙沼の桜の枝から出た、このやさしく、慈味深く、朴訥とした色は、どこか気仙沼らしい気がしてなりません。
さて、糸が染まったら、編み手の出番です。
気仙沼ニッティングの中でも熟練の編み手3人が、この毛糸で「mariko」を編むことになりました。「mariko」は、2017年に発表したモデル。アトリエシムラさんに染めていただいた毛糸で編む、ニットガウンです。
3人の編み手は、気仙沼の桜で染められた糸を、大切そうに手に取って、「あぁ、いい色だね」「やさしい感じですね」としみじみつぶやき、編み始めました。
こうして、気仙沼の桜で染めた、3着の「mariko」が完成いたしました。そのお披露目会を、2月4(土)・5日(日)、11(土)・12日(日)の4日間、気仙沼で行うことにいたしました。気仙沼の桜で染めた「mariko」、ぜひご覧いただけますと幸いです。その場でご購入いただくこともできます。(商品のお渡しは会期終了後となります)
このお披露目会では、
いくつかスペシャルなことがあるのでお知らせしますね。
1
アトリエシムラさんの
作品も並びます。
気仙沼ニッティングの毛糸を染めてくださった「アトリエシムラ」さんの作品も並びます。帯揚げや帯締めなどのお着物まわりの小物、ふくさ、それに数奇屋袋や名刺入れなども。どれも自然の草木で染めたものです。アトリエシムラさんの作品が気仙沼にくるのは、これが初めて。ぜひご覧になってみてください。
2
竹作家・下本一歩さんの
作品もならびます。
「mariko」の展示ために、竹作家の下本一歩さんが、竹で特別なハンガーをつくってくださいました。その下本一歩さんの竹の作品も、店頭に並びます。お箸やスプーン、トングなど、お食事まわりで役立つ竹の作品がたくさん並ぶ予定です。そちらもぜひご覧になってみてください。
3
編み手さんの編み物実演&
編み物相談会もあります!
以下の時間帯に、今回「mariko」も担当した編み手の田村純子さんが、編み物の実演をいたします。
- 2月5日(日) 13-15時
- 2月12日(日) 13-15時
気仙沼ニッティングのニットが編まれていく様子、ぜひご覧ください。
また、編み物のご相談も受け付けます。
どうやったらきれいに編めるか、どんなことに気を付けているか、道具はどんなものを使っているか・・などなど、編み物についてご質問があれば、どうぞお声かけください。
気仙沼の桜で、毛糸を染めた。
「mariko」おひろめ会
会期 : 2023年2月4(土)・5日(日)、11(土)・12日(日)
場所 : 気仙沼ニッティング本店「メモリーズ」
宮城県気仙沼市柏崎1-12
※駐車場住所は柏崎1-20、気仙沼ニッティングのマークがついているところです。台数が限られるため、市営駐車場等をお使いいただくか、お乗合せの上お越しいただけますと幸いです。
※「mariko」のご注文はメールでも承る予定です。ただし、会期中は会場にて展示させていただき、会期終了後に発送させていただきます。