2016年秋、気仙沼ニッティングが初めてゲストデザイナーをお迎えしつくりあげた作品ができました。作品をデザインしたのは、 ニューヨークの人気ファッションブランド〈サイモン ミラー〉と〈ハーヴェイ フェアクロス〉のデザイナー。彼らのモダンなデザインを、 気仙沼ニッティングの熟練の編み手がニットの形で表現し、 丁寧に手編みして仕上げました。
気仙沼とニューヨークのご縁をつないでくれたのは、ニューヨーク発のラグジュアリースペシャリティストアの〈バーニーズ ニューヨーク〉。
<バーニーズ ニューヨーク>より 期間限定で発売された2作品を、気仙沼ニッティングが引き継いでお届けしてまいります。ニューヨークと気仙沼のコラボレーションをぜひお楽しみいただけますように。
サイモン ミラーのデザインは、一見シンプルでカジュアルに見えつつ、 着たときのシルエットが美しい。着ている人を惹きたてます。 そんなサイモン ミラーで人気なのが、ノースリーブのロングチュニックです。 今回、このロングチュニックのオリジナルモデルを、 サイモン ミラーと気仙沼ニッティングのコラボレーションでつくりました。 作品をデザインしたのは、 サイモン ミラーのデザイナー、ダニエル・コリガン氏とチェルシー・ハンスフォード氏です。 二人は、気仙沼ニッティングのカーディガン〈MM01〉のトレードマークであるケーブル模様を、 大胆にあしらったロングチュニックをデザインしました。 前身頃と後身頃がわかれており、 脇をひもでとめるスタイルで、歩くとすそがエレガントに揺れます。 素材は、〈エチュード〉や〈MM01〉と同じ、気仙沼ニッティングのオリジナル毛糸。 ケーブル模様がくっきり浮き立っています。 デニムのボトムスなどにもあわせやすい。 カジュアルに着ても、上質な質感が伝わる一着です。
ハーヴェイ フェアクロスは、ニューヨークの人気ブランド。 そのディレクターのクリストファー・リヴァー氏が、 気仙沼ニッティングのために手編みのセーターをデザインしてくれました。 古典的なアラン模様を用いながら、モダンなシルエットのフィッシャーマンズセーターです。 ふつうのフィッシャーマンズセーターは、 すそが一周リブ編みになっていて、腰のあたりにフィットします。 でもこの作品は、両サイドにスリットが入っていて、前が短め、後ろが長め。 女性らしくて、スタイリッシュなデザインです。 そでが細めで長く、手にかかるのもかわいらしい。 気仙沼ニッティングのオリジナル毛糸で編まれています。 クリストファーからこのセーターのデザインスケッチを受け取ったとき、 ひとつリクエストが添えられていました。 「このセーターを着て腕をぶらんとさげたとき、 そでの模様編みの終わるところと、前身ごろのすその高さが、同じになるようにしてもらえる?」 このセーターを着たときのバランスのいいかっこよさは、 そんな細やかな気配りから生まれています。
気仙沼ニッティングは設立当初より、 ニットデザイナーの三國万里子さんが作品をデザインしています。 これまで発表している作品は、オーダーメイドのカーディガン〈MM01〉に始まり、 シンプルなセーター〈エチュード〉、華やかなセーター〈リズム-A〉、 シックで薄手の〈見つける人〉の4種類。
今回のコラボレーションにあたっては、 〈サイモン ミラー〉と〈ハーヴェイ フェアクロス〉のデザイナーが、 気仙沼ニッティングのトレードマークでもあるケーブルをベースにして、 それぞれオリジナルのコラボレーション作品をデザインしました。
2016年5月。この企画で作品を通じて交流をしていた、 ニューヨークのデザイナーと三國万里子さんが、直接会える機会がありました。 サイモン ミラーのデザイナーであるダニエル・コリガン氏と チェルシー・ハンスフォード氏が、東京に来てくれたのです!
一緒にごはんを食べて、すっかり意気投合したダニエル、チェルシーと、三國万里子さん。 チェルシーのデザインしたバッグに三國さんが感嘆したり、 三國さんの作品集を見てチェルシーとダニエルが大興奮したり。楽しいひとときを過ごしました。
住むところは違えど、心を動かすものは同じ。
気仙沼ニッティングはこれからも、世界中の人によろこばれる作品を編んでいきます。