「エチュード」はシンプルで、使い勝手のいいセーター。
気づいたら「あらら、今日もこのセーターを手にとっちゃった」
となるようなセーターを目指しました。
あなたのすてきなふだん着になりますように。
「エチュード」は、ガンジーセーターの
手法を取り入れて編まれたニットウエアです。
ガンジーセーターとは、イギリスとフランスのあいだにある
ガンジー島近辺に住む漁師たちが
防寒のために着ていたものだと言われています。
つまり、「エチュード」も
アラン模様の「MM01」と同じように、
フィッシャーマンズセーターの一種です。
「エチュード」はレディメイドで展開するウエアです。
基本的にSとMのふたつのサイズを設定し、
編み手のみなさんがそれぞれを編んでいきます。
Sサイズは標準的な女性サイズ、
Mサイズは標準的な男性サイズとお考えください。
女性があえて
大きめのMサイズをたっぷりと着ることもできると思います。
いろいろな編み手さんが編んでいるため、
一着ごとに豊かな個性があります。
模様の出方、手触り、風合い、たたずまい‥‥。
一着ずつ見比べながら、
お好きなものをお求めいただけます。
どんな個性に出会えるかも、たのしみなセーターです。
「エチュード」は、
「MM01」と同じ毛糸で編まれています。
フィッシャーマンズセーター「MM01」に理想の毛糸は、
ガンジーセーターをモデルとした
「エチュード」にも最適のものでした。
京都の手芸糸専門店、AVRILさんとの
毛糸づくりのレポートはこちらをお読みください。
最後に、このシンプルなセーターの魅力について、
三國万里子さんに質問をしました。
「むかしのワークウエアの持つ
ちょっとした無骨さ、でしょうか。
ガンジーセーターでいえば、
たとえば身頃を肩までまっすぐ編み上げると
ドロップショルダーになります。
これは伝統的なセーターでよく編まれた形です。
編み手にとって
なかなか都合のいい形ではあったのですが、
いまはあまり見ません。
洋裁の技法が家庭に取り入れられてからは、
肩幅に合わせた、
よりスマートな形のセーターが主流になりました。
でも、身頃が肩からはみ出してゆったりと上腕にかかる
ドロップショルダーの形は、
いま街で見ると新鮮だなと思うのです。
ノスタルジックというだけでなく、
なんというか、リラックスしたのびのびした雰囲気」
「たとえば。
あまりセーターを持っていない人が
珍しく買ったセーターで、
でも着やすくて似合うからいつもこれに手が伸びちゃう。
着てると穏やかな雰囲気が漂って、
まわりの人がよく話しかけてくれる。
気に入って着続けるうちに
いつのまにか『紺色セーターの人』
というイメージができちゃう‥‥。
そんな着方をしてもらったらたのしい、
と、想像しました。
あそこの本屋のレジのお兄さん、
いいセーター着てるよね、
いつも着た切りスズメみたいだけど、
似合ってるよね、手編みかな。
あんなの自分も欲しいな、編めるかな?
みたいな。
人の記憶に残るセーターになってほしい。
あれれ。コーディネートの話じゃないですね。
たぶんこれは、
みなさんの手持ちの洋服に
すんなりなじむセーターだと思います。
ふつうに、
ほんとになにも考えずに着てもオーケー、という。
もちろんトレンドが好きな人にも着てほしいです。
今年なら、スウェットパンツを合わせるとか、
かっこいいと思います。
人の輪郭というか、
存在感がきりっと引き立ちますよね、紺色って」
写真左上より/赤、生成り、オートミール、ネイビー、冬の海、春の海、チャコールグレー、生成り×オートミール、ネイビー×チャコールグレー