「リズム-A」は、生命力にあふれた明るいセーターです。
見ているだけで目がよろこび、
着ると元気が出るような、
華やかで芯のあるセーターを目指しました。
色を探すところから始めた、フェアアイル
「次は、遊びごころのあるセーターをつくりたい。
色あざやかで、
見ているだけで目がよろこぶようなもの」
そんな気持ちで3着目の商品を考えていったら、
それは自然と、フェアアイルになりました。
フェアアイルは、
スコットランド沖にある「フェア島」で生まれた編み方です。
たっぷりと色をつかって模様を編み込んでいきます。
「どんな色を組み合わせたら、素敵だろう?」
フェアアイルのセーターを編むとき、
三國万里子さんは、
色を探しに自然の中へ散歩に行くところからはじめました。
色を集めて、組み合わせて、
小さなスワッチを編んでみて、
「これは素敵!」という色をみつけていきます。
そうやって色を探し、
何度も模様を試しながらできあがったのが、
この「リズム-A」です。
「リズム-A」はレディメイドで展開するウェアです。
一着ずつ、編み手のみなさんが時間をかけて編み上げ、
タグ付けなど最後まで手仕事で仕上げます。
サイズは、ワンサイズ。
女性向けの標準サイズで、
身長155~163センチぐらいの女性が
ちょうどよく着られるサイズです。
コートの下にも着られるように、
袖や身幅を細めにデザインしました。
一着ずつ、多少のサイズ差はありますので、
お好きなものをお求めいただけます。
「リズム-A」は「ジェイミソンズ」の毛糸で編まれています。
「ジェイミソンズ」は、スコットランド・シェトランド島にある会社。
シェトランドシープの羊毛で作られたジェイミソンズの毛糸は、
自然からそのまま色を拾ってきたような、
柔らかく豊かな色をしています。
三國さんはジェイミソンズの糸について
こんな風に言われています。
「色の種類が多いのもジェイミソンズの魅力ですが、
撚りがすこし甘い(ゆるい)ところも、
この毛糸の大きな魅力なんです。
撚りが甘いから、
編み上げたときに、毛糸同士がすごく馴染みます。
編みものというより、ちょっと織物っぽい感じ。
編んだ目と目に、一体感があるんです。
撚りが強いツルンとした毛糸だと、
編み込みをしたとき、
こういうふうに糸と糸が混ざり合って
滲んだ感じにはなりません。
わかりますか? すこし滲んだ感じ。
そしてこれは、
使っているうちにもっと馴染んできます。
フェルト化して、ぺたんとなってきて、
それがまたかわいいんです」
(三國万里子さん)
この「リズム-A」は、
これまでの気仙沼ニッティングの商品の中で、
一番編むのに時間がかかるものです。
細い糸をつかっているため編む目数がとても多く、
さらに複雑な模様なので集中力を要します。
ひと針ひと針、集中して、
丁寧に根気強く編まれたセーターです。
編み地の裏を見ると、圧巻。
たくさんの色の糸が
整然と渡っています。
最後に、「リズム-A」の魅力について、
三國万里子さんに伺いました。
「軽さ、でしょうか。
着心地が、見た目以上に軽いです。
ここで使っているシェットランドヤーンという糸は、
スポンジッシュで空気をたくさん含む特性があります。
さらに、繊維同士がからまりやすいので、
編んだ後は編み地がなじんで平らになる。
編み込みでも地厚にならずに、着ていて動きやすいのです。
あと、コートの中に着られるとうれしいなと思ったので、
身幅と袖幅に気を遣いました。
少し細身なのがおわかりになるでしょうか。
あと、色ですね。
これを編んでいたのは、
日も短く、きゅうっと寒くなっていく時期でした。
暖かさや、エネルギーを感じられるものが編みたかった。
この中には、炎の色がいくつも入っています。
赤が2色と黄色、白、青。
それがグラデーションになってゆらゆらしているイメージ。
柄はちょっと万華鏡のような繰り返しパターンです。
これ、星同士がいくつも光の触手をのばして、
手をつなぎ合っているみたいではないですか?
そのなかに『まるいなにか』が生まれてる。あるいは守られている。
こういうのって、柄を描いた時には気付かなかったことだけれど、
繰り返すことで生まれる面白味だなと思います。」
「女性用サイズで作ったので、
今回頭の中にあったのは女性が着ている姿でした。
ふだんは都会で忙しく働いている女性が、
年末に帰省している時にこれを着てる、という。
もしかすると、それは、
わたしが手編みのセーターを着て実家で過ごすことが多いからかもしれません。
ひと目で手をかけたことがわかる、きれいなニットは、
実家の空気をぽわんと明るくする効果があるのです。
お年始に集まる、親戚のおばさんたちにもほめられますしね。
あと、同窓会に着ていくと、これをもとに会話が弾むと思います。
華やかで、着ると元気が出るセーターなので、
いい気持ちで過ごしたい日に登場させて下さい。」
「ジョッパーパンツにロングブーツ。
あるいは太めのジーパンにコンバース。
気に入っているふだんの服と合わせるのが一番だと思いますよ。
女性らしく着るならば、ツイードのミニスカートに
レースアップシューズを合わせるとすてきだと思います。」